ディスレクシアのVR体験

東大駒場リサーチキャンパスでディスレクシアのVR体験ができると聞き、出かけてきました。
ディスレクシアというのは、知的能力に問題は無いけど読み書きだけに困難がある学習障害の一つです。
発達性読み書き障害と言われることもあります。

心理の授業等で知ってはいたけれど、お子さんの発達障害は専門外なこともあり、どんな風に読めないのか、書けないのか、はわかっているようでわかっていませんでした。

東大のリサーチキャンパスの中でも先端科学技術研究センターという、何やらすごく先端を行ってそうな建物でやっているのも心を惹かれました。

キャンパスを歩いていくと、「先端」とは正反対のイメージとなる、とっても歴史を感じる建物の2階のとっても小さなスペースでそれは行われていました。
VRのゴーグルをつけると、そこは小学校の教室。懐かしい~。
黒板に書かれた文字がディスレクシアの子にはどう見えるか、どんな風に読もうとするのかが心の声が聞こえることで、理解ができるように作られていました。
「あ」と「ぬ」「り」と「い」とかがわかりにくかったり、文章のどちらから読めばいいかわからなかったり、
2文字くらいを頑張って読んでいる間に、クラスの皆は40文字くらいをスラスラ読んでいて焦ってしまう様子、など、
たった5分でしたが、知識だけではなく、こころの動きも感じられたことが、とても良い経験でした。

このイベントはは精神医学や心理の専門分野ではなく、「先端アートデザイン展」の中での展示。
ずっと頭の中で?が渦巻いていたけれど、案内看板の中に

「美しさとは、見た目だけの問題ではない。人と人が理解し合える社会、それもまた美のひとつといえるのではないだろうか」

とあり、ああ、なるほど。そういうことか。とすっと腹落ちしました。
こんな風に色々な人のことを知ることから始めないといけないな。そういう機会があるということはありがたいことだと思いました。

私が体験した後は、体験を待つすごく長い列ができていて、しかも若い人達が多く、ちょっと嬉しくなりました。