木嶋佳苗に興味を持って・・・

カウンセラーの北野です。

皆さんは、「木嶋佳苗」って覚えていますか?

名前を聞いただけでは思い出せないかもしれませんが、2009年結婚詐欺で何人もの男性からお金をだまし取った挙句に、次々と男性を殺したとして逮捕され、死刑となった女性です。
そんなに何人もの男性が騙されるなんて、さぞかし美人なんだろうと思いきや、「太くてブス」と報じられ、え?なんで?と思ったのを覚えています。

すっかり記憶の片隅に追いやられていた死刑囚を思い出させたのが、昨年の秋に見た「獣道!一直線」というお芝居でした。
まさに木嶋佳苗をモデルとしたストーリーで、主演の古田新太さんが、色んな本を読むうちに木嶋佳苗に興味を持って企画した、とパンフレットに書いてあり、なんだか私も俄然興味が湧いてきました。

そこで最初に、ざっくり事件のことを知りたいと思って、佐野眞一さんというドキュメンタリー作家が書いた「別海から来た女」という本を手に取りました。
別海というのは木嶋佳苗の出身地である北海道の地名です。
100日かけて行われた裁判の様子や、様々な関係者へのインタビューが盛り込まれていました。
木嶋死刑囚が、地方では珍しい裕福な家の子であったこと、婚活サイトで狙ったのは背の低い男性だったこと、すぐに性交渉の話を持ち出したこと、デートの際はプロ並みの手料理をふるまったことなどを読み、ますます興味が湧きました。
そして、出会ってからほんの1週間で罪悪感なく男性を殺すなど、何故彼女が犯罪に走ったかに、あまり理由が無さそうなことも驚きの事実でした。

関係者が一様に言うのは、声が可愛いということだそうで、お芝居で木嶋佳苗をモデルとした役をやったのが池谷のぶえさんだったので、もう本当にはまり役だったんだなと思いました。

ただ、結局1冊の本を読んでも、彼女の家族の話もほとんどなく、何故そんなモンスターが生まれたのか、といった疑問には答えてくれませんでした。
木嶋本人が、手記を書いているようですが、真実はどこにも無いと断定していたので、まだ読んでいません。

そこで、次に手に取ったのは、「毒婦たち」。

東大の学長になった上野千鶴子先生と、私が(勝手に)好きなカウンセラーの信田さよ子先生が対談しているとあれば、これは読まずにいられません。

ただ、こちらの本は、木嶋佳苗のことだけではなく、東電OLやその他の女性犯罪者についてと、いかにこれまで男性が女性を虐げてきたか、いかに男性が愚かか、という話が主でしたので、あまり気持ちの良い対談ではなく、私の興味も充足されませんでした。

とはいえ、そもそも私が心理学に興味を持ったのは、犯罪者の心理に興味を持ったから、という原点を思い出させてくれた芝居と本でした。