適応障害 ~うつ病とは違うの?

あっという間に梅雨が明け、そして猛暑に次ぐ猛暑。
気温は既に「真夏」なのに、蝉の声がまったく聞こえないことに、なんだか怖い気もしてきます。

さて、今日は「適応障害」の話です。

まだ会社に行くのが辛いな、とか、もう行けない、という時に、「うつ病」を疑う方も多いと思います。
ところが、精神科や心療内科を受診すると、「適応障害」と診断されることが少なくありません。

この「適応障害」、聞いたことがあるな、という方もいらっしゃると思います。
最近では、深田恭子さんを始め、有名人でも適応障害を公表してお休みをされる方が増えていますね。

では、「適応障害」とはどんな病気なのでしょうか。

「適応障害」は、はっきりとしたストレスの開始から3ヵ月以内に症状が出て、そのストレスが無くなれば治るというものです。

症状は抑うつややる気の低下など気持ちに関するものや、会社に行けないなど社会生活に支障が出ているといったものです。
ちなみに、そのストレスは誰もが会社に行けなくなるレベルのものではなく、ほとんどの人は適応できるレベルのものになります。
4月に就職、転職、昇進、異動などで環境が変わり、それがストレスとなり、症状が出てくる5月頃に「適応障害」と診断されることは少なくありません。
いわゆる五月病と言われるのは、こういうパターンですね。

では、「うつ病」との違いは何なのでしょうか?
まず、うつ病は、はっきりとしたストレスが無くても発症する場合があります。

そして、うつ病の場合は、ほとんど毎日の気分の落ち込みがあり、今まで楽しめていたことが楽しめません。
5月に調子悪いな、と思っても仕事を休めない!と頑張ってしまうと、今頃はこういう状態になってしまうかもしれません。

適応障害の場合、会社には行けないけど、飲み会や旅行、スポーツなどには参加できたりしますので、周りから見ると、
「え?会社休んで何しているの?」「甘えているだけなんじゃない?」
と、思いがちですが、本人にとってはとにもかくにも会社に行くことは非常に苦痛なのです。

ストレスが無くなることで治りますので、職場の人間関係や役割、業務内容のストレスであれば異動や転職など、環境を変えることでも解決します。
無理をして頑張り続ける前に、早めに上司や人事に相談することをお勧めします。

とはいえ、精神疾患は、1回の診察では判断がつきにくいと言われていますので、あまり診断名にとらわれ過ぎる必要もないように感じています。

環境が変わってもストレスを感じるようでしたら、その場合はストレスに対する考え方を変えることが必要かもしれません。
人によっては、両親との関りやいじめ体験などが影響している場合もありますので、トラウマを小さくすることでも適応しやすくなるでしょう。

どちらも一人で立ち向かうには、とても勇気がいることですし、難しいものです。
そんな時は、カウンセラーなど専門家に相談してみることをお勧めします。
(北野)


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