自分自身の深い部分を語る時

カウンセラーの北野です。

カウンセリングでは共感が大事だと言われているけれど、実は、なかなか共感できない時があります。
それは、クライアントさんの意見と自分の意見が違う、とか気持ちが理解できない、ということではなく(たまーにそういう時もありますけど)、
相手が自分の心の内を話さない時に多いように思います。

饒舌に一生懸命話してくれるんだけど、他人のことばかりだったり、表面的な気持ちだったり・・・
そういう時は、話の内容がなんかちぐはぐな感じがしたり、表情や態度との違和感があるので、すっと話が入ってこないのです。

一方、ようやく堅い鎧を脱いで自分自身の深い部分を語る時、
私自身も思わず引き込まれ、無意識のうちに相手の少しの表情の変化を見逃すまいと、ものすごく集中します。
そして、そういう時は、自分自身も、胸が痛くなったり、涙が出たり、色々な身体の変化が表れます。

多くのクライアントさんは、本当はとても傷ついているので、そんな自分を語ってくれる時、私までとても切ない気持ちになります。

そして、そんな傷つきを何とかしようと努力するクライアントさんをとても愛おしく感じることもあります。
相手が私より歳上のおじさんでも。。

この「愛おしい」という感情。
広辞苑によると、「かわいらしい」「かわいそうだ」だそう。うーん。この言葉にしてしまうとしっくり来ないけど、たぶんそういう気持ちなのでしょう。
大切にずっと応援したい気持ちが近いかもしれません。

とはいえ、カウンセリングでこのような関係になれることは、残念ながらそう多くはありません。

最近は、スキルと経験豊かなセラピストが行うデモを見たり、実際のセッションの様子を動画で見せていただける機会も増えてきましたが、やはり素晴らしいセッションでは、同じような感覚になります。
その度に、もっともっとカウンセリングがうまくなりたい。力をつけたい。と思う私です。

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