カウンセリングの効果は心理療法によるか

一体私は今まで、心理療法の勉強・トレーニングにどのくらいの時間とお金をかけてきたのでしょう。
世の中にある資格のほとんどがそうであるように、公認心理師も臨床心理士も、取得したからと言ってカウンセリングやセラピーを効果的にできるとは限らず、うまくいかなかったカウンセリングを経験しては、これではダメだと色々な技法を学んできました。

 

気分向上委員会に所属するカウンセラーも、プロフィールで「主な技法」に書いているように、沢山のトレーニングを積んで今があります。

ところが、最近、専門知識や心理療法(技法)の効果よりも、カウンセラーの「存在」そのものに治療効果がある、と、心理業界では言われ始めてきました。

元々、同じ心理療法を用いたとしても、カウンセラーによってその効果は全然違う気はしていたし、心理療法はある程度用いたとしても、やはりしっかり傾聴し、クライエントの存在を認める関りをし(一応誰にでもそうしているのですが)、クライエントさんとの関係性がとてもよい場合に、より効果があると感じます。

昨日参加した来談者中心療法(パーソン・センタード・アプローチ)の講義でも、ロジャーズも最後の方は、カウンセラーはこうあるべきといったことを言わなくなり、自分の存在・佇まいがカウンセリングに影響すると言っていたと話していました。

また、ある講義では、心理療法は「恐れ」からきている、と。
カウンセラーの何か使わなくては良くならないのでは、という「恐れ」がカウンセリングで心理療法を使わせているのだそうです。
これは、かなり刺さりました。
まさに、先に書いたように、うまくいかなかったような気がすると、必死で勉強してきました。

とはいえ、色んな専門知識を身に着けたカウンセラーよりも
「ちょっとあんた、がんばんなさいよ!」と背中を叩く近所のオバさんに元気づけられる人も多く、
なんだかなあ、と思ったり・・・

世の中の常識は、時代と共に変わり、何かが流行ればそれに対する反対勢力が出てくるのは世の流れ。
何が正解かはわかりませんが、私は持てるすべての力を用いて、目の前のクライエントさんに向き合うしかできないかなあ、
と思う今日この頃なのでした。