もっていかれそうな心にアンカーをつける

カウンセラーの内藤です。
このご時勢だからか、友の一文に「念じます」という言葉がありました。
改めて、「念」という字を見ると、「今」と「心」の組み合わせであると気づき、意外でした。私の中では先々よくなるように…というイメージだったのです。
けれども、それもまず、「今」の無事あってこそ、ということでしょうか。

それを機に、他にも心の付く漢字を思い浮かべてみました。

「忙」は忄(心)に亡くすですが、同じ文字を縦に重ねると「忘」。確かに心から亡くなる≒忘れる…かも(汗)。

流行語となった忖度の「忖」は忄(心)に寸(漢字辞典を見ると手の指一本を指すのだそうです)で、指で脈にふれるようにそっと思いやること。元々悪くない意味なのですね。

「息」も部首に心がつく文字ですが、「息」の自は「鼻」を指し、心臓の動きにつれて鼻から呼吸をすることを示しているそうです。確かに鼻が詰まると息はしにくい…

他にも、部首に心が付く字は、

志、忍、怪、急、怯、怒、怖、恩、恥、恋、悦、患、恐、悟、悩、惚、情、惨、惜、悲、惑、愛、慌、慈、惰、愉、慎、慕、慄、慣、憎、漫、憂、慮、憩、憧、憔、憤、懐…

…など色々。挙げたのはごく一部で、数えきれないほどの漢字があり、その字が表す心の状態も様々あるのに気付かされます。

この中に、今のご自身の心の状態にフィットする字があるでしょうか。
また、今、選んだ字の他に、ご自身の心の中の思いに近い字が、あるかも見てみましょう。最初に目についたもの以外に、これも、これも…と当てはまるものがあることに気付かれるかもしれません。

思い詰めたり、ストレスを感じると、心がひとつの文字、例えば、「恐」「憂」で占められてしまったように感じることがあります。

そうした時にはゆっくりと息をして、これらの漢字を見てみてはいかがでしょうか。漢字に限らず、他の言語に堪能な方は他の言語で、言葉でなく例えば色で感じる方は色のパレットで、ご自身に合ったツールやイメージで…。

もし、今、大きく膨らんで持っていかれそうな感情や感覚があり、対処に困る時は、自分の中に、他にも色々な感情や感覚があることを感じてみましょう。それらの色んな感情や感覚の存在は無数の小さなアンカーのように心を落ち着かせてくれることがあります。

ひとりで考えても、どうにもならない時には、お家等からオンラインでも相談を受け付けております。