夫婦別姓

カウンセラーの竹田です。

総裁選候補の政策の比較を眺めていたら、各候補の論点の一つに「夫婦別姓」がありました。
別姓にしたい人は多いのに、長い間解決しない問題なんだなあとつくづく思いました。

私が結婚したのは昭和の時代なので、もうずいぶん昔のことです。
結婚休暇明けに出勤した日、電話に出る度に「私事ですが結婚いたしまして、名字が変わりました」と説明することに疲れ、午後には諦めて、旧姓のまま仕事をすることにしました。

女性の多い会社だったので、結婚や時には離婚、再婚によって姓がかわる社員も多く、
お客様に接する職種の社員にとって、姓が変わることはメリットよりデメリットが多いとみんな感じていました。
人事部で仕事をしていたので、姓を2つ登録できるシステムにカスタマイズしてもらい、
仕事上と社会保険や給与振込口座等を分けて運用しました。(まだパソコンではなくオフコンの時代です)

以前は国家資格の仕事では、戸籍上の姓以外認められていなかったので、盛大な結婚式をあげたのに、それが理由で籍を入れていない、という医師の友人がいました。
また、婚約した彼氏は姓を変えることに同意してくれたのに、彼の家族に反対され、自分の姓を変えることに納得できずに婚約をやめた知人もいます。
久しぶりに会った大学時代のゼミの友人は「別姓にするために書類上離婚した」と近況を報告していました…。

時代は移り、多様性の尊重は当たり前の流れになっています。雇用機会均等法や、セクハラ、パワハラの認識等に進捗を感じています。でも、長年身近でみんなが求めてきた「別姓」が総裁選で話題になっているなんて、ここには高く分厚い壁があるんですね。