フォーカシング

フォーカシングとはひとことでいえば、今、自分がここで実感できるからだの感じや、気持ちの流れをちゃんと感じる、ということです。

カウンセリングでのクライアントとカウンセラーの会話の中でこんなやりとりがあると思ってください。

「うーん、なんといったらいいのか、悲しみというのとはちょっと違うというか。ちょっと心にひっかかるような、うーん。」
とクライアントが言葉にならない何かを感じて、表現できる言葉を探しているような場面です。
まだ言葉では表現できていないけれども、確かに何か感じていることがあり、クライアント本人もわからなくてなんだかモヤモヤしています。
その「芽生え」のような、感じているけれども言葉にはっきりできないようなモヤモヤを「フェルトセンス」と呼びます。

カウンセリングでは、その「フェルトセンス」に注意を向けてその感じを言葉にしていく作業をカウンセラーと共にしていきます。
その過程で、自分の気持ちにピッタリとした言葉が見つかった時、新たな気づきが生まれ、スッキリと問題解決に向かうことができるのです。

もともとフォーカシングは来談者中心療法の流れから生まれたものであり、この技法は認知行動療法などほかの技法と組み合わせて使うことでより効果がある場合もあります。

フォーカシングを何度かやることで、自分の感情への気づきが早く深くなり、自己援助や問題解決などの場面、また、創造的な仕事を生み出したりといった場面で役に立ちます。